友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える
「友だち幻想」は2008年に発売された本です。
ちょうど1年前2018年4月に「世界一受けたい授業」で又吉直樹さんが紹介したことでまた火がついたらしい。
私はその番組は見てないのだけど、今年になってTwitterで目にして知りました。
友だちって必要なのか?
自分以外は全て「他者」である
「友だちはいらない」これも本書を読んで思うこと。「いらない」というよりは、全てをわかり合える人はいないから「できない」といったほうがいいかもしれない。
良くも悪くも、人間関係で人は悩む。人の悩みのほとんどは人間関係だそう。じゃ関わらなければいい!って言いたくなる。そうは言っても、ひとりはひとりでさみしいんだよね。
仲が深まってくると、相手との時間が濃くなりなんでもわかってくれていると錯覚してしまう。それこそ幻想で、すべて他者であると思っているほうが楽。
他者であるからこそ、わかろうと歩み寄ってくれたり、重なるところがあったりすると嬉しかったりするんだよね。
友だち100人できるかな、も幻想
1年生になったら〜友だち100人できるかな〜ってやつ。あれも幻想。
最近は歌わなくなったところも多いようだけど、今でも知ってる人は多い。
100人も濃く付き合える人って大人でもそう多くない。誰とでも仲良くなりましょうって・・・自分だったらげんなりするもんね。
相手を攻撃したり嫌うわけではなく、少し距離を取る。大人はそうしてるもんね?
100人知ってるよ♫だったらできる。それくらいでいい。
関係を薄くしようとしてる今のコトバ
ムカつく!うざい!かわいい!など。
便利なコトバなんだよね。カバーしてる範囲が広くて、安易に使えるから。ムカつくっていうと、相手を突き放すことができる。もっと詳しい思いや背景があるのに、さらっと突き放せる。うざいも同じ。カバーしてる範囲がひろいからこそ、捉え方も様々。
楽だけどね、その先本当に楽しくはならないよなという話。近づきたいなら、コトバも近づかないと離れてしまう。
それでも、友だちは必要だ
友だちはいてほしい。関係も深くなりたい。
私自身、深い関係になるのが怖い。依存してしまうのも怖いし、壊れるのも嫌だ。だから、予防線張ってしまうし、相手を試すようなことしてきてしまった。自分を守るために、どうせ切るよね?ダメだよね?ほらダメだったでしょ?っていうコントのようなことをやってきた。
浅く広くの付き合いもいい。私はひとつの輪にい続けられる性分でもないし、次々出会いや刺激を求めていってしまうだろう。
でも、目の前の相手をもっと大事にいてもいい。他者だから全てを分かり合えるはずはない。だからこそ、大事にする。そんな視点が必要だと思う。
まずは自分を大切に。合わないという自分の気持ちをごまかさずにいたい。
本書の中には、もやっとするところも多くて、読むのに時間がかかりました。途中でやめようかと何度も思ったけど、気づけば読了。
人との関わりについて考えることがある人にはおススメです。
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